第1話 ASTURIAS 最新工場レポート  2015年8月

さあさあ、アストリアス愛好家の方、はたまたアストリアスギターを気になっている方へお送りするこの工場レポート列伝。

題して、『タンタンの大冒険』とやらいきますかっ! 店主

 

羽田空港より1時間30分~久留米市にあるアストリアス工場。

現在も活気あるギター製造の工場であることは言わんでも分かるかっ。7月下旬より~8月上旬にかけて行ってまいりました。

 

この工場は一般お客さんの工場見学等は危険な工具などもあり、現在のところ立ち入り許可をしていませんので、変わって私『ギターショップタンタンの高井』が最新情報をお伝えいたします。

 

また、今回のオーダーはものすごい収穫が得られたこと、本当にアストリアス工場さん、感謝いたします。

 

きっと、アストリアスファンの方々は楽しくこの記事を読んでくれると思います。

それでは!

 


早朝飛び出し、西鉄久留米駅へ!

ここからはタクシーで1メーターぐらいだったかな。あっという間に到着します。

入口の門を入ると、大きな工場とそして丹下段平ボクシングジムを彷彿させる生活感あふれる、いやっ歴史深い事務所がお出迎えしていた。

『名工の心』の看板がわかるであろう、この看板には深い歴史が刻まれ現在ここで働く職人さん達の心の言葉としてアストリアスギター工場へ訪問した際には必ず写真に抑えるべきポイントである。先方さん提案によりこのT-シャツが干してある部分の窓から顔を出した絵の写真はいかがかと問われましたが、過去の先駆者にこのスナップはやられてしまったことを思い出し断念。スタンダードなお写真からスタートすることとなった。


いつまでもふざけていると肝心な記事に取り掛かる前に読み飽きてしまう方もいそうなのでこの辺で!


門をくぐり中央空き地となっている。そしてその中央を陣取るのが木の山。なんだと思いますか?これはマホガニーネックです。上にはトタン屋根が施されており天然乾燥中の様子。お気づきでしょうか、1本1本ただ干しているのではなく丁寧にバランスよく変な不可もかかることなく整頓されている、恐らく職人さん達はあまり気にせず置いていると思います。しかしながらすでにバランスよく勝手に置けるようになっているのですね。さすが!

 

 

では早速工場内部へ潜入レポ””

まず案内された部屋は、材切り部屋です。

とってもアナログ感あって物持ちも良い。

古くから稼動している機会から新しい機械まであり古き良きと新しき良きのコンビネーションを保った作業場です。


ここでは、材の大きな切り~細かな切りまで行っているセクションです。

業界用語でいるところの『スライス』まで行っているとのこと。すげ!(※スライス=マルタの木をギターの板がとれるまでの幅まで製材すること)まあ、ここまではなんとなく大きな工場ですのでわかるのですが、これからがすごい。急にレトロな感じになりますご注意ください。

写真のチカラ木 わかりますか?

このチカラ木は近年工場では通常、中国や海外などの協力もあり、概ねの形まで削ってある木を仕入れてそこから最終研磨して希望する形に整えていくのです。


単にストレートのチカラ木ではなく、微妙にアーチをつけているのがわかるでしょ!

後の事も考慮して考えられていました。

向上へ行かなければ分からなかったポイントです。

しかーし、そこはアストリアス、写真でもわかるように、木から1本1本材を切り、そしてまた1本、そしてまた1本と、形成し削っている。なんてアナログ感満載なんだっ!って思うかもしれませんが、使用する機種のギターそれぞれ微妙に寸法や形状も違うはず、その個体オンリー1のチカラ木をあえて1本1本製造していました。これは本当にびっくりいたします。だってこの作業にかかる時間があれば生産率も向上するし、生産能力数も増えるはず。しかしながら1本1本丁寧に仕上げる姿勢は脱帽ですね。そう言えば、アストリアスギターってあまりブレーシング、チカラ木剥がれの修理ってないですよね!きっとこういった部分はとっても関係していると思いますね!

 

機械の使用後もとっても綺麗に清掃及び整頓されていてスタッフの方たちの心が分かります。


左上のマシーンはギターのサウンドホールマシーンといえば分かりやすいでしょうか、ギタートップ板部分~サウンドホールの刳りぬき時に使用する機械です。アナログに手動にて1本1本職人さんの手によって抜いています。

右上の機械は、ギターサイド板を熱を与えて形を成形する通称『型』と言われる機械。この機会も数台完備していた、また木枠も完備しており、型倉庫的な棚にぎっしりと型がありました。ある程度のオーダーもこの中の型を使用すればつくれるのではないでしょうか。うんうん!素晴らしいですね。昔の型から現在の型まで綺麗に収納してございますね。

 

⑤型の製造場所からサイド材の形成を完了させ、職人技が花開きます。1本1本職人の手によって製造されています。もはや、工場なのか手工品なのかわからなくなってきました。ただこのアストリアスはとって


も良い意味でアナログ感を保っていて、場所さえ向上ですが、ほぼ手工品と言っても良いレベルですね!


トップ板の裏側はブレーシング構造の普段みえないところ。こういった部分は向上訪問ならではの光景でしょう。トップ板裏も接着には、音に直接関わる部分でもあり、すべてその箇所にはニカワ接着です。

黄色くなっているのがニカワですよ~。また、サウンドホール上に白いシールが貼ってあるのが見えるでしょう。最近の機種には、このシールが貼ってあり、製造日程の確認ができるのです。以前よりアストリアスの製造年シリアルはわかりやすく、より品質管理をしっかりしているが、トップ板までも更に細かに管理しているとは改めて脱帽ですな。近年のアストリアスギターご購入者様は一度弦を外した際など確認しても良いかもしれませんね。楽しみ1つ増えましたね。



そして詳しい方なら気になる楽器の元になる材保有率は日本屈指の良質材工場ではないでしょうか。ジャーマンやハカランダ、ハワイアンコアやホンジュラスマホガニー、真っ黒の黒檀などすごい量です。まあ、ここはびっくりですよ。そしてこの倉庫は40度以上の温度はあるでしょうか、とっても暑い!暑い!暑い!ただでさえ外の気温は35~37度ほど。恐ろしいほどの暑さでした。しかし、せっかくここに来たなら隅から隅まで見させていただき、その中でもより良いイメージができる材を探すため汗だくになりながら探しました。繰り返しますが、恐ろしいほど綺麗に保管しているでしょ。これはアストリアスの愛好家の皆様からするととっても高ポイント部分だと思いますね。とっても材を大切にしており、無駄なく綺麗に使用することは素晴らしい!そして、ギターショップタンタン用の極上セレクト材を選びました。今回のオーダー数は12本でしたので、30~40セットの材を選び、運びだしました。その中から更にチョイスして極上タンタンモデルへの架け橋となるのです。暑い~!あっ、そうそう、ここの材保管場所の中でもう一つ注目してほしい箇所がございました。ギターが完成してからは見られない箇所→左上から3番目写真のトップ板材の厚み部分の木目!ここの木目が斜めに入りやすく、この部分がトップ方向からより直感に木目がなっている方がサウンドに良いと思うのです。見て下さい、どうですか?ここのトップはそれを分かっている気がします。極上のサウンドはこういった加工してしまえば見えない箇所からも良くわかるのです。そしてブックマッチ部分から両脇を抑え軽く弾力感を手で確かめます。ダメな材はシナシナしていて腰がない板が多いのですがここの材は反発感が良く下敷きのような反しの強い印象を受けました。これはGOODでしょ!黒檀も真っ黒な奴がわんさかしている。そして誰かの子供の靴もかわいちゃう(笑)そして、次なる工程箇所へ移動!


このへんから作業風景をバシバシレポートしますよ。まず左側はネック削りの工程です。ある程度までは仕込んでからは職人により手作業にて、直接肌に触れさせて1本1本削っていく様子です。マスキングもしないで大丈夫か!!って思いますが、キズ一つ付けることなくすごいスピードで削っていました。あとから説明しますが、この工場のモットーは短時間集中に徹しているようでした。あとからね、あとから。そして右側はバフ掛け作業の様子。分かりますでしょうか『バフ掛け』塗装を塗ったあとに断面を細かな粒子により滑らかに均一化する作業でこれによりツルツルピカピカになるんです。この作業がやぼったいと音も当然やぼったくなります。直接素手で感触を確かめながら豪快に作業するさまはまさに短時間集中の神経ピリピリの作業ですね。

そして、このレポートをしっかり読んでいただけているお客様へ宣伝&販売商品のお知らせ~アストリアス(D-エンペラー)このモデルあまりにもTOP板が素晴らし過ぎて1本完成後 当店に入荷決定いたしました。ナンバーは『No.74~』です。


販売価格は通常商品と同様にて¥594,000→¥468,000にて決定!


予定で2015年8月~9月予定です。


是非ご検討中の方はお問い合わせくださいませ。おすすめの極上個体ですよ






そして初日が終了。上記にて書きました、短時間集中の事ですが、時間は17:32になりました。働いている職人さんたちはほとんどの方が帰りました…。はや~!東京ではあまり見られない光景。担当者にとっても早いですねと問うと、時間をきっちりと決めることで、逆に集中できるし更に怪我の防止にもなるとのことです。たしかに大きな刃物や機械を使用すること、はたまた肝心なギターの品質にもとっても有効だとか。短時間集中のモットーそのものです。さぁ、私と飲みいく方以外はお疲れさまでした~


さあ、2日目 ↓

早朝08:30~懐かしくも聞こえるラジオ体操から一日が始まります。向上の皆様眠たい目をこすりながらなにげに第3までやってたかな?連帯感もあって非常に良いことですね。ちなみにギターショップタンタンは、オープン11:00~のため、この時間はまさに未知の領域、昨日の夜更かしのお陰で顔パンパンす。本日のメインは、写真でもあるように昨日 先発隊材を選び、その中から更に超先発隊を決める重要な作業でございます。

ちょっとその前に、作業工程の終盤の貴重なVもあわせてご紹介させていただきます。


近年アストリアスでは、純国産のアストリアスウクレレを製造していることはご存知でしょうか?通常クラシックギター&アコースティックギターを中心に製造しているこの会社、ウクレレを製造することによって、ハワイアンコア材の仕入れにも大変興味深い発展をしていました。特にハワイアンコア材は貴重かつ木目からもわかるように楽器材として使用するだけの量が少なく材のストックが大変重要なカギとなる。担当に聞いたところ、アストリアスのハワイアンコア材の仕入れには、大きなマルタの木そのものを仕入れ、この工場で製材を行うとのこと。そのためコストランニングを抑えることができ更に高騰し続けるコア価格に立ち向かっているようです。ここは企業努力の賜物でしょう。そうしたマルタコア材の中から先発して大きなアコースティックギターが製造される寸法材は確保するのですが、1本の丸太から、そうも多くとれないこともわかるのではないでしょうか、ウクレレはもちろんその中でも特にアコースティックギター用のハワイアンコアはまさに貴重中の貴重!と言えるでしょう。ついでに宣伝です。←当店タンタンモデルはこの貴重なハワイアンコア・ギターを2本オーダーしてきました。写真上は、オールコアTRAD-Dギター(No.12)/写真下は、トップシトカ・スプルース×サイド&バックハワイアンコアTRAD-D(No.11)使用材写真です。完成は来年2月頃を予定しております。ご興味のある方は是非お問い合わせくださいませ。世界に1本の極上ギターでございますよ。


さあ、最終工程部分の部屋からご紹介しましょう。最終工程はバフ掛けまで終了した状態にてこの部屋にやって参ります。BODYはすでにツルツル艶艶の綺麗な状態になっており、ここでのメイン作業はブリッジ取り付けとPEG取り付けナットサドルの最終調整となります。ここの情報は当店が初なとるぐらい細かに潜入成功(ちゃんとお仕事してます笑)まず、ブリッジの形成については専用の型をそれぞれ製造されており、粗めのペーパーから徐々に細かなペーパーへと地道な肉体指労働的な工程です。追ってご紹介します、密やかな秘密もございました。


ブリッジ削り&ブリッジ形成です。通常ブリッジと接着する際どのように接着されるか皆さんはご存知でしょうか?また、取り付けることは知っていてもどんな箇所に注意をしているかなど、アストリアス独自の進化論とでもいいますでしょうかアイデアと信念が含まれ、この世に1本1本送り出されているのです。注目すべき点は、←スケールの写真。スケールをブリッジ上に垂直に置いています。中央部分をやや凹ませて形成されていることにお気づきでしょう。トップ面との接着率そして振動率を考慮し、この形状にすべてしているとのことです。これは、現場でないと見ることができない発見です!皆様、メモしましたか~!


そしてブリッジ接着工程になります。接着はニカワにて取り付けとなるため時間、温度、タイミングが鍵となるポイントです。進行通りに説明しましょう。まず、ブリッジをBODYに置いた状態にて専用の機器を使い場所決めです。失敗したらすべて終了の超慎重作業。


そして↓下の写真、ブリッジ部分のラインを刃物で印します。



そして大胆な職人技ですね、微妙にRのついた専用具で塗装のみ剥がします。アストリアスの塗装は特に薄いためBODYにキズが入っちゃうんじゃないの×××!って思いましたがとっても綺麗に塗装のみを削り落としていました、写真でも確認できると思いますがこれが職人技でしょう。素晴らしい光景でした。

塗装のみをこうも綺麗に剥がすとは思いませんでした。きっとこの記事を見てくれるお客様達も興味がある作業工程だと思います。

アストリアスギターのかぶがまた1つあがりましたね。

そして、下の写真にて完成した塗装剥がしのBODYトップ写真です。

綺麗なスプルースが出て参りました。ニカワ接着や他の塗装もそうですが、塗装の際は無垢木に直接はることが鉄則。塗装面ではやはり時間と共に剥げてしまうんですよ。

削り工程が終了するとBODYブリッジ周りをマスキングします。その間にニカワを温め、とろとろの良い粘りが出るぐらいまで温め開始!

塗装の厚さの写真掲載しました。

←(左下)見て下さい。とっても薄い膜ですねこの厚さを均等に削っていく様子はホントに脱帽感満載。

おっ、ニカワがいい感じのお時間になってきましたよ。


 

そして、ブリッジにパッとニカワを塗り、パッとBODYへ取り付け。

 

お手製のドライヤースタンドにて削りたてのブリッジ・ポイントを温めておきます。そして、これまた専用クランプにてパッと固定。そして固まるまで固定。このクランプほしいわ~””。


こんな感じでブリッジ工程完了となり、ナット、サドル弦高調整、Peg付けなどを経て世の中へと旅立つわけです。

 



さあ、ここからは今回の主役となる、当店(ギターショップタンタン)オリジナルスペックギター

オーダー数 全12本の考えに考えを重ねた究極の機種達の傾向と対策です。

基本的となる当店の見解は、やはり当店のオリジナルモデルだからといって、ガンガンスペック変更などは行いません。これは、アストリアスの良い部分と歴史や現在の作業工程からもあまり異色なことをしてアストリアスらしさが無くなることを警戒しました。アストリアスギターの良い部分にプラス@、当店=お客様の声、今まで取り扱ってきて直接、触ってきた意見を中心に内容が決め更に工場と、お客さんの距離を縮めようと思いました。楽器店だからできる使命です。お金をだせば極上のモデルが完成する!それは見ためもキンキラキンで良いかもしれませんが、お店の意味がない。そんな使命感をイメージしながら極上タンタンモデルへの材及びスペック決めを行った。特に今回気づいてくれた方はホントに嬉しいポイントをご紹介いたします。

ピックガードはすべて在庫あるガードの中から、このモデルには、これ!このモデルにはこれ!ってな感じですべて私が選びました。ピックガードも模様はさまざま。

濃かったり薄かったり、コハク部分のバランス感で、下に写り込むトップ材の印象やなんやら、経験を元に選別させていただきましたよ。これだけでも十分手間掛けてまっせ。そして、黒色のガードが2つ写っていることにお気づきでしょうか?前々からアストリアスに要望していた塗り込みピックガード機種2本用のガードです。

昨夜でも職人さん達と食事をしながら永遠に私の熱意に感銘していただきました。このピックガード塗り込みに対しては、過去行っていない仕様なのです。強度の問題や、塗り込むことで今後使用していった際のガード収縮など、さまざまな症状も未知数のため行われていない手法でした。しかしながら、60年~70年代のカントリーシーンを代表するギターなど私たち1リスナーとしてはどうしてもはずせない仕様なのです。この仕様を職人さん達は心良く承諾していただき2本製造していただけることになりました。

しかも、工場でも実験済み!なんて素晴らしい対応!


オーダーナンバー

『No,3』

『No,7』



それぞれ各1本づつしかございませんので、ご興味のある方はお早めにお問い合わせくださいませ。

そして材のセレクトには相当の時間をいただきました。

ブックマッチにて接着してある部分より上部をつかみ、コンコンっと、ノック。音の返りを確かめたり軽くクネクネ板の腰を試したりと、タンタン流の良質材選びを行いました。今までの経験上このアナログ式な方法ですがはずしたことはほとんどと言っていいほどございません。きっと完成後、期待通りのサウンドになってくれる期待しています。

また、この12本につきましては、すべてロングサドルを採用いたしました。何故なら、アストリアスギターを国内でも数多く販売させていただいている当店での見解です。アストリアスぎたーのロングサドル機種はいいんです!そのイメージをそのままこの12本にぶち込みました!こちらも期待MAXです。





長々としたレポートとなってしまいましたが、アストリアス工場の工程など今までにあまり取り上げられなかったセクションなども多少でも多くレポートできたと思っております。

このオーダー機種12本につきましては早速以下よりオーダーも開始いたしました。

まだ材のお写真しかございませんが、すべてオンリー1の記念商品でございます。是非、ご検討中の方はお問い合わせいただければ幸いでございます。

また、通常アストリアス工場へは、一般のお客様への工場見学などは行っておりません。

もし、工場への質問や、オーダーに関しましてのご相談など、どしどしお問い合わせくださいませ。

最後にアストリアス工場さん、来年2月頃かな、完成の際には是非当店にてお越しくださいませ。(笑)

そして、実際にお客様などと触れられても良いのではないでしょうか、

ギターショップタンタンそして、アストリアスギター 完成までまもなくです。

 

ご期待ください!

販売開始のタンタン・オーダー分は以下の通りです。

 

第2話 中間報告

2015年11月度

中間報告が入りましたよ~!

工場での作業途中に写真撮っていただきました。

現在、ご注文いただいているお客様、また現在ご検討中のお客様

2016年年明けまもなくの入荷でございます。

その間、こちらのお写真にてお楽しみくださいませ。